法人化の4つのメリットと3つのデメリットを個人事業と比較する
新しく事業を始めたいと思った時に取る方法は二つあります。
個人事業としてスタートするか、新しく会社を立ち上げて法人化するかです。
会社法の改正に伴い今は簡単に会社を立ち上げることができます。しかし、個人事業がいいのか、会社を立ち上げて法人にするほうがいいのか。
その違いをしっかりと理解している人は少ないのが現状です。ここでは法人化のメリットとデメリットについてお伝えします。
メリット
信頼性
法人の方が世間や取引先、仕入れ先からの信頼が高いです。また、個人事業主よりも銀行から借り入れがしやすくなります。そのほか、営業や採用をする際にイメージが良くなります。
経費削減や節税の方法が増える
節税経費の幅が増える、家族に自由に給与を支払うことが可能になり所得分散が行える、などのメリットがあります。他にも所得税や法人税、住民税の節約方法の幅が広くなります。
特に所得税と法人税に関して、個人事業では所得税が適用されます。所得税は累進課税なので所得が上がればそれだけ税金も上がります。
会社の場合は法人税なので年間の所得が約500万円を超えるのであれば、法人税の方が安くなります。
起業の覚悟
法人化する際に30万円の法人設立費用を支払い借金の可能性まで背負って夢を行うため、覚悟がしっかりと見につきます。すると、絶対に失敗してはならない、と強く思うようになるので経費や事業に対して意識を強く持つことができます。
まとめ
法人の場合は個人事業の場合と比べて社会的な信用度が高いという大きなメリットがあります。そして、社会的な信用度が高いことが社会で取れる選択肢が増えるというメリットになります。ただし、社会的な信用度を保つためには社会的に果たさなければいけない義務も増えることになります。
その義務が法人化のデメリットとして以下に挙げられます。
デメリット
法人住民税
この税金は毎年の税務申告の際に赤字であろうと必ず義務として払わなければなりません。これだけで毎年7万円の出費となります。
事務作業の増加
会社組織(登記事項の変更など)、労働保険や社会保険の手続きが新たに発生し、会計処理も会社法に準拠した方法で行う義務があります。行わなければならない事務作業は確実に個人事業主よりも多くなります。
従業員の社会保険
企業は雇い主として従業員の社会保険料の半額を払う必要があります。社会保険料は給与額にほぼ比例するため、当然、給与が高くなればなるほど、従業員数が多くなればなるほど企業が支払う社会保険料は高くなります。
まとめ
物事の一端だけを極端に見るのではなく、法人のメリット、デメリットをしっかりと見比べて落ち着いた判断を行うことが大事となります。
たとえば、いくら法人化にはメリットが多いとはいえ、資産が少なければ法人設立費用の30万円、法人住民税の7万円、従業員の社会保険料などまかないきれない可能性もあります。まず初めは個人事業から初めて上手く事業が波に乗って資産が出来てから法人化するなど自分にあったキャッシュフローを考えることが必要です。